みなさんは、解熱鎮痛剤って使ったことありますか?

私は、親知らずの抜歯の後、感染が強くなり痛みに耐えきれず使ったことがあります。しかし、その他の用途ではもう25年は使ったことがありません。若い看護師だったころ、日勤をして深夜勤務をしなければならないときに、昼過ぎから発熱して、帰宅後、お風呂に入って体温を上げて、汗をたくさんかいてから解熱剤を使い、深夜勤務に出勤したといいう経験があります。

恐らく今では考えられないような行為ですが、昔は勤務交代なんてかなり御法度でした。特に若い看護師はいつも怒られていましたから、突然の勤務交代なんてとっても言い出せず、無理して働いていました。なので若い時は、私も熱を下げて働きに出ていた一人です。しかし、その後ずっと調子が悪く、身を持って体験し、解熱剤を使わなくなりました。

①解熱鎮痛剤ってなに?

解熱鎮痛剤は熱からの体の痛みや、身体の炎症部の痛みなどの痛みに効きます。その時に一時的に体温が下がる効果があるため、発熱で病院に行くと頓用として処方されるものです。

世間一般では、解熱鎮痛剤を飲めば熱が下がって感染症が治ると誤解されている方が多いように感じます。

本来、感染症が治るには、身体の中にはいりこんだ細菌やウイルスを死滅させることが必要です。抗生物質は、この抗生物質が効くかもしれない菌を減らすために処方されます。なので、その抗生物質が効かない細菌に対してはいくらその薬飲んでも効きません。また、ウイルスにはほぼ効かないと覚えておいてください。抗ウイルス薬という別の薬があります。これは特定のウイルスのみ効くといわれている薬です。抗生物質は自分の身体にとって大切な菌(乳酸菌や日和見菌といわれているもの)も殺してしまい、皮膚や腸などのバリア機能を正常に保つために必要な菌類の数のバランスが崩れます。そうすると、下痢やカンジタ症など、発症し、免疫力がどんどん低下していきます。そして、抗生物質も抗ウイルス薬も完全に菌やウイルスをゼロにはできないのです。最後は自分の免疫力を上げて、菌やウイルスを排除する力が大切になります。

身体に入り込んだ菌やウイルスを排除するための防衛機能が発熱です。一般の細菌やウイルスは35度から37度くらいで増殖します。なので、37.5度以上の熱を上げて、身体の中で細菌やウイルスを増えないようする防衛機能が発熱です。ウイルスの種類によっても増殖のできなくなる温度が違いますが、38度5分以上になるとたいていのウイルスが増殖できなくなります。なので、身体はどんどん体温を上げていきます。けいれん発作をおこしたことがある方は、痙攣止めを使うことが必要になる体温です。40度近くなると朦朧としたり、腰が立たなくて立てなくなることもあります。とてもしんどいです。しかし、熱が上がることで病原菌を殺しているんだということをわすれないでください。

②発熱したらどうすればいい?

イオン飲料をガブガブ飲んでください。食欲がなくてもとにかくこまめに少しづつでもいいから、イオン飲料を飲みます。発熱で怖いことは脱水です。脱水が脳梗塞や心筋梗塞など血管が詰まる病気を引き起こします。一度の発熱で全てのウイルスや細菌を死滅することはできません。繰り返し何日か発熱するのです。救急外来にいたときに、”お薬もらって、3日経つのに熱がまだ上がる”と不安を訴える患者さんが多くいました。解熱鎮痛剤はできる限り使わないことです!せっかく熱を上げて身体の防衛機能を高めているのに、それを薬で下げてしまえばまたウイルスも菌も一気に増殖し始めます。脱水でも38度くらいまで熱が上がってしまうことがあります。脱水を予防しながら熱を上げることが大事になります。

発熱時はイオン飲料かOS1

を1日小学校高学年以上は2リットル以上、小学生低学年は1日1リットル以上、幼児なら500mlから1リットルを目標に飲みましょう。乳児で母乳の方は母乳をいつもより頻回に飲ませます。哺乳力が低下していたら、搾乳して哺乳瓶であげてください。ミルクの方はOS1を飲ませると胃腸の負担を抑えてくれます。ミルクは消化に時間がかかるので、発熱時には沢山飲ませてしまうと吐き戻しの原因になります。様子を見ながらOS1をうまく活用してみてください。

③発熱時の食事のとり方

ゼリーやプリンなど水分が多いものを食べます。胃腸に負担がかからないように脂っこいもの、繊維質なものは調子がよくなるまで控えましょう。牛乳やヨーグルトなどの乳製品も消化に負担になるので控えた方が無難です。幼児や高齢者は調子が悪くなると誤飲しやすくなるので、ゼリー状のOS1などの方がおすすめです。

持病に糖尿病の方はイオン飲料ばかり飲むと血糖値が上がりすぎてしまうので、OS1の方が安全です。

血糖チェックができる方は血糖値を測定しましょう。経口の血糖値を下げるお薬を飲んでいる方は食事がとれないときはお薬は飲まないようにしましょう。既にお薬を飲んでしまった場合、低血糖症状にならないように食事がとれなければイオン飲料をしっかり飲みましょう。インスリン投与をされている方は食事がとれないときはインスリンをお休みして血糖測定して、かかりつけの病院に相談しましょう。

食事がとれればイオン飲料は少し減らしてお水を沢山摂りましょう。ご飯とみそ汁の汁が食べられれば、ちょうどよい塩分と糖分が取れます。

④発熱を助ける方法

熱が上がる途中が一番つらいんです。腰も痛いし、頭も痛い、食欲もない。全身痛みで動けない。

悪寒って知っていますか?筋肉を震えさせて熱を上げていきます。よくけいれんと間違えて、慌ててしまう方がいます。意識があれば悪寒のことが多いです。悪寒はより早く熱を上げるために起こる、生命の知恵です。悪寒をしているときはとにかく全身を温めます。決して冷やさないでください!!よく寒い寒いと言っているのに、おでこに冷やすパッドを貼っていらっしゃる方がいます。身体は38.5度以上の熱が出ていても、寒い時はまだまだ熱を上げてください重ね着をして毛布をかけたり、こたつの中に入ったり、電気毛布使うといいですよ。イオン飲料を温めて飲ませることもやってみてください。とにかく、イオン飲料を飲みながら暑いと感じるまで、身体を温めます熱が上がりきると身体は急に楽になります。

暑くなり、汗をかいてきたら一気に身体を冷やします。鼠径部や首をアイスノンで冷やしたり、布団を薄くして、電気毛布やこたつを外します。

汗が出てくると自然に熱が下がります。汗をかいたら必ずその都度着替えましょう。

また寒くなってきたら、保温し熱を上げます

その繰り返しをご自分またはご家族が看護してください。

③解熱剤はいつ使うのか?

熱が上がる途中で解熱剤を使ってしまうと、からだの中でどんどん細菌やウイルスが増殖します

熱を上げるために葛根湯や麻黄湯を飲むのもオススメです。

私は葛根湯は常備薬しています。ちょっと体がおかしいな、のどが変だな、鼻が詰まるな、肩がこったり、腰が痛いなくらいのことで、葛根湯を飲みます。もちろん子供たちにも飲ませています。一人が調子がおかしい時はすでにみな家族は感染している可能性が高いのです。症状があってもなくても、ちょっと一人おかしい時は家族で葛根湯を飲んで、体温を上げておくことが病気をこじらせない秘訣になっています。

葛根湯のおかげで、我が家は子供が小さいころからほとんど病院に行かずに感染症を治してしまいます。もちろん子供に解熱鎮痛剤を使ったことは一度もありません。抗生物質も実は子供たちはほとんど飲んだことがありません。葛根湯の飲み方はまた別の機会に!

では、解熱剤はいつ使うのか?

解熱剤は使わなくても熱は上がり切れば下がります。とはいえ、微熱37.5度くらいはしばらく続きます。この微熱って大人は結構しんどいんですが、子供なんか何事もなかったように遊んでいます。この37.5度くらいっていうのはウイルスにとって増殖が抑えられるギリギリのところで、またその温度が6時間くらい続くことでウイルスを死滅させることができるのです。

なので極力解熱剤は使わない。が私の答えです。今、解熱剤が売り切れてしまっている現状に将来の不安を感じます。

確かに熱が上がると全身つらいです。微熱もつらいです。水分をしっかりとって、寝ていましょう。

5日のお休みはつらいです。でもそこで焦って解熱させたら、1~2か月結局よく治らない、もしくは重症化していくことにつながるのです。働くママさんが子育てしています。一日でも早く熱下げて、仕事に行かなければ・・・。という気持ちはわかります。でも、感染症は最低でも3日から5日は熱が出ると、心得てください。

私の子供は一番上は幼稚園の最初の年は月の半分位、一週間保育園に行き、一週間休むことになるの繰り返しをしていました。もう、保育料返してもらいたい!なんて冗談で言っていましたが(笑)

それが2年目にになれば熱一つ出さず、時々、咳喘息になりそうなときに病院で治療するくらいで、小学校はほとんど休んだことはありません。下の子供は幼稚園入る前にすでに上の子と一緒にかかっているので、幼稚園も学校もほとんど休みませんでした。

咳がひどすぎたら病院に入っていましたが、3日の発熱はすべて様子見して育てています。

ただ、今のコロナ禍でのそのような対応はちょっと厳しいかもしれません。PCR検査はすることになりますね。でも自宅療養の方法はおなじです。

1日で治るときだってもちろんあります。でも、身体は熱が出ることによって体力も消耗し、免疫力も疲労から下がりやすくなります。無理をすると、また違うウイルスにすぐに感染しやすい状態になります。十分に身体を休ませることが大切です。幼少期は生きる為の身体をつくるために沢山の感染症にかかる必要があります。感染症にかかって免疫を作るというのが人間の身体を強くする方法せす。できる限り、免疫力と体力を下げないように病気にかかることが重症化しない方法です。そして熱が出ることを怖がり過ぎないことが大切です。

熱で十分にウイルスを死滅させる前に熱を下げることで、からだ中にウイルスが回り、脳症などを引き起こします。

なので私は解熱剤は基本的に必要ないと思っています。

気を付けてほしいのは、解熱剤が入っていると知らないで飲んでることです。

市販の風邪薬は解熱剤が必ずはいっています

なので一斉私は買いません。製薬会社を敵に回してしまうかもですが(笑)

葛根湯、栄養ドリンクで十分です。

頭痛持ちさん、生理痛がひどい方、解熱鎮痛剤をよく飲まれていると思います。

日常的に解熱鎮痛剤を飲んでいると、体温が下がっています。身体の免疫力もさがり、自律神経もみだれやすく、血行も悪くなり、悪循環です。やはり、頭痛や生理痛の根本原因の改善をいち早くされて、解熱鎮痛剤の常用をできる限り早くやめましょう。

痛みの原因が病的に見つからない場合、身体の血行の悪さ、自立神経の乱れからの頭痛や生理痛が考えられます。ぜひ日常に運動を取り入れてください。ヨガが本当におすすめです。子供も大人も、男も女も関係なくぜひぜひ取り入れてみてください!

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